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社会科学系学部卒・男性のインテリアコーディネーター

主として、「インテリアコーディネーター」と住宅・建築・インテリア・不動産に関係する資格と資格試験に関係する内容

「建築家とインテリアコーディネーターがつくる家」て何ぞや?〔上〕 「建築家」て何?

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「建築家とインテリアコーディネーターがつくる家」て何ぞや?〔上〕 「建築家」て何?

[第4回]
    「インテリアコーディネーター」https://www.interior.or.jp/ic/ とは何なのか。 資格試験は、インテリア産業協会という業界団体がおこなっており、私が最初に受験した1993年から合格できた1996年、登録した1997年までは試験を実施していたのはインテリア産業協会だが、通産省認定の「国家資格」だった。ところが、その後、「民間資格」に変わった。学校だと、公立の学校を卒業した後、その公立の学校を卒業した後で私立に変わったとしても(あるいはその逆でも)、すでに卒業した人間の卒業証書の文面が変更されるということはないのだが、「資格」の場合は、変なことに、「国家資格」を取得したはずなのに、取得後に「民間資格」になると、「国家資格」の時に取得した人間までが、持っている資格が「民間資格」に変わってしまうらしい。
     世の中には、「国家資格」だと価値があり、民間資格だと価値はないと思っている人がいるが、それは単細胞と言うべきだろう。 民間資格であっても価値があるものはある。 しかし、実際問題として、「国家資格は価値があり、民間資格は価値がない」という思考しかできない人というのが、日本の会社にはおり、仕事にありつこうとした際、面接で「あなたの考え方は間違っていますよ」と応募する側が言うわけにもいかないので、又、就職してからその会社でどう評価されるかという際にも評価する者の認識が適切でないと思っても適切でない評価の仕方をする会社経営者はいくらでもいるわけであるから、国家資格であるか民間資格であるかは、取得した者としては、できれば、「国家資格」であってくれた方が、よいことは確かだ。

    「インテリアコーディネーター」というのは、最初は、枠組壁構法(ツーバイフォー工法)の三井ホーム(株)http://www.mitsuihome.co.jp/ の社内資格だったという話がある。 三井ホームが、構法としては特色がない枠組壁構法(ツーバイフォー工法)に付加価値をつけようとして、「インテリアコーディネーター」と称する女性を社内におき、もともと、同社では、設計担当者を社内で持たずに、設計事務所に設計を依頼して図面を作成していたことと合わせ、「建築家とインテリアコーディネーターの作る家」というキャッチフレーズで売り出したようだ。 最近でも、三井ホームの住宅展示場には、この「建築家とインテリアコーディネーターの作る家」というコピーが書かれた横断幕がかけられた展示場があるが・・・・・、私なんぞは、それを見ると・・・・→「アホちゃうか!」と思うのだが、効き目があるのかどうか知らんが、三井ホーム(株)ではそれをかかげたい人がいるらしい。〔・・・と思って、インターネットで検索すると、「三井ホームの住まいづくり」として今だに「建築家×インテリアコーディネーターと建てる家づくり」などというあほくさいコピーが三井ホーム(株)のホームページに出ていた・・→ http://www.mitsuihome-kagoshima.com/making/making/art_ic.html ・・・三井ホームも、なんだかな・・・・〕
    「インテリアコーディネーターの作る家」というのは何か。 1960年代の終わりに私の両親が、まだ「木造の小堀住研」であった時代の小堀住研(株)で家を建てた時などは、「インテリアコーディネーター」などという名称の「資格」はなかったし、建築会社にそういう職種の人間はいなかった。
     1980年代の終わり、私が小堀住研(株)〔→エスバイエル(株)→ヤマダエスバイエルホーム(株)http://www.sxl.co.jp/ 〕に入社した時、(株)インテリアワークス というグループ会社があって、小堀住研(株)の設計担当が図面を作成し、このプランで進めましょうということで契約した後、(株)インテリアワークス に所属する女性が「インテリアコーディネーター」と称して、「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)を行った。 しかし、その人たちは、「インテリアコーディネーター」の資格は持っていなかった。 もともと、その程度の資格かと、その頃まで、私は思っていた。但し、「インテリアコーディネーター」の資格を持っていなくても、その仕事をいつもしている人なので、資格を持っていないから何もわかっていないということでもない。
    三井ホーム(株)http://www.mitsuihome.co.jp/ は、「インテリアコーディネーター」の資格を持っている人に「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)を担当させていたというのを「売り」にしていたわけで、それを「・・・インテリアコーディネーターの作る家」と称していたのだが、1980年代の終わりにおいては、「インテリアコーディネーター」は「通産省認定の国家資格」となっていたが、国家資格だといっても、あくまで、「能力認定資格」であって、この人はこういう試験に合格した人ですから、このような能力があるはずですよと認定するという「資格」であって、その資格を持っていなければ、何何をしてはいけない、その資格を持っていれば何何をすることができる、と言うようなものは何もない「資格」だった。だから、「インテリアコーディネーター」の資格を持っていない人でも、「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)の仕事をしてもらう能力はあると会社が判断した人ならさせてよいわけで、「インテリアコーディネーター」の資格を持っている人でも「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)の仕事を担当してもらうのは不適切だと会社が判断した人なら担当させるべきではないことになる。 三井ホーム(株)は、すべて、「インテリアコーディネーター」の資格を持っている人が担当しているというのを「売り」にしていたけれども、それは、もともと、三井ホーム(株)の社内資格が民間資格になり国家資格にまでなったものだから、三井ホーム(株)では「インテリアコーディネーター」の資格を持った人が「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)を担当していたということに過ぎない。 三井ホーム(株)の社内資格の基準を他の会社が採用しなければならないという義理はない。 他の会社は他の会社で三井ホーム(株)の社内資格の基準と異なる基準で人を見て採用し人事を決めればよいことである・・が、三井ホーム(株)の社内資格から生まれた「インテリアコーディネーター」という資格は、それなりに「使える」ということで、普及した。
   「建築家・・・・の作る家」の「建築家」とは何かというと、これは、「インテリアコーディネーター」より、さらに胡散臭い! そもそも、日本には「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」「一級建築施工管理技士」「二級建築施工管理技士」といった資格はあるが、「建築家」なんて資格はないし、フリーダムアーキテクツデザイン(株)〔本社:東京都中央区。 社内公用語は大阪弁?〕がしばしば言う「設計士(さま)」なんてそんな資格なんて日本にはないのだ。 しかし、電車の中吊り広告なんぞ見ても、「建築家の家」とか書いたものを見ることがある。 で、よく見ると、こんなの住みやすいか? 要するに、「けったいな家」が好きてことかい? てそんな感じ。
   そもそも、「建築家」て何なんだ?  愛知産業大学の某先生の説によると、「建築家」とは、パソコンで名刺を作って、そこに「建築家 〇野×太郎」と書いて人に配れば「建築家」だそうだ。 もしくは、スタンドカラーシャツをあつらえて着れば「建築家」だ。 ちょっと、難易度が高いのが「女優と結婚すれば『建築家』」・・・・。 あんまり、勧められないが、世間でけっこういるのが「ヒゲはやせば、『建築家』」。
   私なんかは、ポン大の建築学科とか卒業したおっさんは「建築屋」で、東大の建築学科か京大の建築学科を卒業した人間のうち菊川怜 以外の人間が「建築家」かと思ったが、ポン大も、かつては「日東駒専」(にっとうこません)(日大、東洋大、駒沢大、専修大)と言って名前と受験番号さえ書けば誰でも合格するアホ大学とされていたが、最近では、それより下に「亜拓大東帝国」(あたくだいとうていこく)というなんか怖そう!てグループができて(亜細亜大、拓殖大、大東文化大、帝京大、国士館大もしくは国学院大)、さらにそのまだ下のグループもできてきたというので、その「犬も歩けば日大にあたる」と言われるくらい東日本ではどこにでもある日大の建築学科が、なんか評価が高くなったのか私が勤めた会社のレベルが低いのか、たぶん、後者だと思うけれども、(株)一条工務店の営業本部長のA野隆夫のおっさんなんかは、同社の従業員で日大の建築学科卒の人間のことを「◇◇くんなんて、日大の建築でてんだぞお~お」とか言ったりしていたので、日大もなんかえらい出世したもんやなあ~あ・・・とか思ったものだが、これを言うと、実際に日大出た人が聞くと、「おめえ、日大を馬鹿にしてんなあ~あ」とか言って大喜びする・・・・。 「大喜びする」というのは、どういうことかというと、「◇◇くんなんて、日大でてんだぞお」などと言われると・・・・はあ? と実際に日大でた人は思うらしいのだ。だから、「◇◇くんは、日大の建築でてんだぞお~お。どうだ、すごいだろお」なんて言われると、「日大もえらい出世したもんやなあ」と実際に日大でた人は思うらしい、というのか、「アホちゃうか」と思うらしいのだ、そういう文句を聞かされると。 ところが、最近では、ポン大でた人間で「建築家」を名のるおっさんも出てきたわけだ。
   ちなみに、「ぼく、▽▽の資格もってます」と持ってもいないのに持ってると言う人間というのが、日本の会社にはけっこうおり、1990年、小堀住研(株)の東京支店自由が丘営業課にいたK藤なんかも、「ぼく、宅建主任もってますから」と大きな声で何度も言い、片方で、「実際はもってませんけど」と社内では時々口にしていたが、学歴詐称に資格詐称なんてやり放題と思っている人がいるようですが、軽犯罪法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO039.html  の第1条文の第1号に《左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する》とあり、第15号に《 官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者 》という規定があり、第3条に《第一条の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。》というのがあるが、資格、特に国家資格の詐称と出てもいない大学を出たとか言いまくるというのは、これに該当すると思うのだ。 だから、小堀住研(株)の自由が丘営業課にいた宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)の資格を持っていないのに「ぼく、宅建もってますから」と言いまくっていたK藤やK藤にそう言えと指示したという営業課長の某とか、小堀住研(株)の千葉支店の営業で、実際はニチゲー(日大芸術学部)しか出てないくせしやがってからに「私、早稲田の建築でてますから」とか言っていたらしいS川とかは、この軽犯罪法違反になるはずだぞ。
   で、学歴詐称とか資格詐称とかするヤツというのは日本にはゴマンといるわけだ。私も中学生や高校生くらいの間は、「そういう人も中にはいるのだろう」くらいに思っていたが、実際に会社つどめをしてみると、「中にはいる」ではなく「ゴマンといる」のだ。 その点、「建築家」というのは、これは国家資格でもなければ民間資格でもないので、これは、まあ、何と言うのか、愛知産業大のM先生も言われていたことだが、「言った者勝ち!」。 とりあえず、スタンドカラーシャツを着れば、「建築家」。 名刺に「建築家 〇家☆之介」と書いて人に配れば「建築家」。 ・・・・まあ、そんなもんだ。
   千葉市中央区鵜の森町 の新華ハウジング(有)〔建設業〕・ビルダーズジャパン(株)〔不動産業〕で設計の仕事を請けていたN村設計事務所のおっさんなんかは、「建築家のつくる家」と三井ホームのパクリのキャッチフレーズを名刺に入れておったけれども、N村のおっさんの場合は、暴走族みたいな羽根付の真っ赤なスポーツカーに乗って、ちょっと変わった帽子かぶって、そして、一級建築士は詐称ではなく本当に持っていたようなのだが、その暴走族みたいなクルマと帽子と一級建築士と名刺との4つで「建築家」だったようだ。
   大久保清なんてのは、ロシアの民族衣装の「ルパシカ」というのを着てスポーツカーに乗って「画家」と称して、二十歳前後のおねえちゃんに声をかけると、ひょいひょいとひっかかってしまった女がいたらしいのだが、「建築家」なんてものは、言ってみれば大久保清が「画家」と称したところを「建築家」と称したみたいなもんだ・・・と言うと怒るおっさんもいるかもしれないが、怒りたければ好きに怒ればいいが、実際、そんなもんだろ。
※ 大久保清を知らない人は、
⇒《ウィキペディア-大久保清》https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E6%B8%85
   日本には「いっきゅうけんちくしい~い」と矢鱈と言いたがるアホがけっこういるのだが、「いっきゅうけんちくしい~い」と言わずに、「建築家」とか「設計士」とか、あるいは「エグゼクティブアーキテクト」とか何か意味不明な舌を噛みそうなカタカナ言葉を言ったりするヤカラがいるのは、どうしてか。困ったことに日本という国には、「いっきゅうけんちくしい~い」と言うと人は言うことをきくと勝手に思い込んでいるヤツがけっこういて、それで一級建築士の資格を取得すると、この「いっきゅうけんちくしい~い!」てヤツを言いまくらないと気がすまないというアホがいるわけだ。 ところが、世の中には「アホ」だけでなく「アホの二乗」みたいなヤツもいるわけ。「アホの二乗」は、「アホ」がさかんと「いっきゅうけんちくしい~い」と叫ぶのを見て、自分もあんなふうに言いたい言いたいあんなふうに叫びたいと思うわけだが、「アホ」は一級建築士の試験に通っても、「アホの二乗」は、なにしろ、「アホの二乗」なものだから通らんわけだ。 だから、「いっきゅうけんちくしい~い」と言うかわりに「設計士(さま)」とか「エグゼクティブアーキテクト」とか日本にありもしない資格もどきを称してみたり、「建築家」とか名のってみたりするわけだ。 で、そういう「建築家」は東大建築学科とか京大建築学科とかは出てないわけだ。 無試験で入れる建築専門学校とかそんなところを「卒業」して、そんなものを「ぼく、学校でてますから」とか叫びまくるわけだ。 最近はそういう「建築家」が増えてきた。
   そういえば、今は昔、(株)一条工務店に在籍した時、1990年代前半、新卒入社したばかりの22歳の男で名刺に「主任」と書いた名刺を持っている者がいたようだ。(株)一条工務店は新卒入社して1か月目の右も左もわからないにーちゃんを「主任」にしていたのかというとそうではないのだが、名刺を発注する際、「役職」という欄、「資格」という欄には、発注する従業員が書き込めばその通りの名刺が作成されて届くので、主任でもないのに「主任」と書いた名刺を持っている人間とか、取得してもいない資格を持っているように書かれた名刺を持っている従業員とかがいたらしい。11年余り在籍した同社を辞めた後、2000年代のこと、同社の某住宅展示場に行ってみると、そこにいた営業のおっさんがくれた名刺には「地盤調査員」と書かれていた。日本には国家資格として「地盤調査員」などというものはなく、業界団体の資格としてもそんなものはない。どこにあるかというと、(株)一条工務店の社内資格として、2時間か3時間の地盤調査についての講習を勤務時間中に受講すると、受講の終わりに、そういうものを会社が暮れるのだ。試験も何もない。地盤調査の研修はけっこう内容があるものだと私は思ったけれども、2時間かそこらの研修を受講しただけのものを「地盤調査員」などと名刺に入れるというのは、あんまりいいとは私は思わないが、そんなものでも入れたい気持ちになるおっさんもいたようだ。
   1990年代、(株)一条工務店の福島県の営業所にいた時、同社を退職した人が訪ねてきてくれたことがあって、「今、ここにいるんだ」と言って名刺をもらうと、「課長」と書かれていたので、「◇◇さん、課長なんですね」と言うと、「ここの会社、みんな、課長か部長なんだよ」という話だった。2000年頃、栃木県佐野市で、(株)一条工務店の営業所に集金に来たおばさんが言うには、読売新聞の佐野市の販売店では「従業員は全員、店長」らしい。 「設計士(さま)」とか「エグゼクティブアーキテクト」とか、そして、「建築家」とかいうのは、まあ、その類だな・・・・!!!

   三井ホームの言う「建築家とインテリアコーディネーターがつくる家」というのは、要するに、たとえば、私が在籍した頃、1990年前後の小堀住研(株)は、「設計の小堀、デザインの小堀」「小堀ならではのデザイン」と言われる設計をできる設計担当者が小堀住研にはいます、というのを「売り」にしていたのだが、三井ホーム(株)の場合は、逆に、自社に設計担当者を置かず、「設計事務所のおっさん」に設計の仕事を外注していたわけだ。 (株)一条工務店の創業者の社長らは、住宅建築業を始める前、静岡県浜松市で電気屋をやっていたらしい。この「電気屋」というのは、ヤマダ電機みたいな電化製品を小売りする「電気屋」ではなく、関西電力とか中部電力とかいうような「電気屋」でもなく、電柱に登って電気の線の工事やってるおっちゃんの会社みたいな「電気屋」でもなく、戸建住宅などの電気の配線工事をおこなったりする「電気屋」をやっていたらしい。(株)一条工務店という戸建住宅建築業を始めてから、その「電気屋」はやめてしまったのかというと、そうではなく、東陽(株)という名前の会社で静岡県西部ではその後もやっているらしく、浜松市近辺で(株)一条工務店で建てる場合は、電気工事はその東陽(株)がやるらしい。だから、「電気屋のつくる家」と「売り」にするかというと、それはしていない。 自社に電気工事の部門というのか関連会社があって悪いことはないが、電気工事を電気工事の会社に外注して悪いこともない。 三井ホーム(株)は自社に設計部門を持たないというのを「建築家・・・のつくる家」とか言って「売り」にしていたわけだが、 自社に設計部門を持たずに外注してますと言っているだけのこと。 外注して良いものができるならそれはそれでいいし、自社で設計部門を持って良いものができるならそれも悪くない。
   で、「建築家」というと、今、生きている人だと、安藤忠雄とか槇文彦・磯崎新・隈研吾とかそういう人を思い浮かべませんか。 「ちょっと前まで生きていた人」だと、丹下健三・黒川紀章とか。 そういう「建築家」が自分の家の設計をしてくれるのか・・・と思いませんか。違いまっせえ。 三井ホーム(株)は「そのへんの設計事務所のおっさん」のことを「建築家」とか言っているんでっせえ~え・・・。 そういうおっさんが、暴走族みたいな羽根突きの真っ赤なスポーツカーとかに乗って、ちょっと変わった帽子かぶってやってきて、「建築家のつくる家」と書いた名刺を差し出すと・・・・、私なんかは、「ま~た、しょーもない丹下健三のエピゴウネンのほとんどビョーキみたいなおっさんが来やがった」とか思うところですが、「よっ、建築家!!! すごい! さすが! さすが!!!」とか思う人も、100人に1人くらいある? のかもしれない。

   「いっきゅうけんちくしい~い」というのが、なぜ、通じてしまう面があったかというと、かつては、大学の建築学科というものが多くなかった。 又、建築士の資格制度ができたばかりの頃、最初、二級建築士は大工をある程度の年限やっていた人は試験に通らなくても二級建築士の資格をもらえた時期があったらしいが、一級建築士は試験に通らないと取れなかった。 大学に建築学科というものがそれほどなかった時代、二級建築士は4年制大学の建築学科を卒業すれば実務経験なしで受験でき、一級建築士も4年制大学の建築学科を卒業すると二級建築士を取得しなくても2年の実務経験で受験できた。 だから、かつて、一時期、一級建築士というのは、「十大国立大学か早慶の建築学科」卒の人間でもあることが多い時期があった。 「十大国立大学」とはなんぞやというと、旧帝大系7大学(北海道大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大・九州大)と一橋大・東京工大・神戸大を言うらしい。「らしい」というのは「サンデー毎日」とか「週刊朝日」とかの大学合格発表特集号とかにそう書いてあるのでそう「らしい」。一橋と慶應には建築学科はないので、「十大国立大学と早慶の建築学科」といっても、12ではなく「国立9大学と私立の早稲田の計10大学」だけれども、そういう、世間で一般に評価が高い大学の出身者でもある場合が多かった。 だから、そういう「難関大学を卒業して一級建築士というけっこう難しいらしい試験に合格した人」ということで「いっきゅうけんちくしい~い」というのがカリスマ性を持った時期があったらしく、そういうのを見て、「十大国立大学か早稲田」なんて大学は天地が5、6回ひっくり返っても卒業していない人間で、「いっきゅうけんちくしい~い」とか言いたがるヤツがでてきたらしい。

   もうひとつ。 「専門学校」というのは、もともと、「学歴」ではなかった。 高校を卒業した後、ローニンしていくら勉強しても、ローニン中にいくら模擬試験で良い成績を取っても、「予備校」は「学歴」にならないのと同じく、「専門学校」も学歴ではなかった。 看護婦さんの専門学校である「看護学校」は卒業して看護婦、今は看護師と言うようになったようだがの資格を取得すれば、「専門学校」を卒業したということでではなく、看護婦→看護師の資格で勤めることができる。 調理師の専門学校というのがあって、『味いちもんめ』という板前を描いた漫画によると、最近では、中学校なり高校なりを卒業してすぐに板前の弟子入りする人よりも調理師学校を卒業してから板前に弟子入りする人の方が多いらしいが、調理師学校を卒業しなければ板前になってはいけないというものでもない。 『味いちもんめ』では、高校卒業してから調理師学校に行って調理師学校を首席で卒業した伊橋くんが、「藤村」という新宿の割烹料理店に勤めると、同じ年齢で高校卒業してすぐに「藤村」に勤めた谷沢さんの方が板前の仕事はずっとできたということにショックを受けたという話がでていたが、調理師学校を経て板前になる人もあれば中学校なり高校なりから直接板前の修業を始める人もいるようで、料理人にとって、調理師学校は出て悪くはないが出ないといけないというものでもないらしい。 建築の専門学校は、もともとは「学歴」ではなかった。今も、厳密には「学歴」ではない。「学歴」ではないとともに、もともと、東大・京大・東京工大の建築学科などは、明治以来、外国人の建築家を政府が招いて建築の世界のエリートを育成しようとした学校であったのに対し、そういう「エリート」と大工その他の職人との中間の位置の仕事をする人を育成しようとして作られたのが建築専門学校だったようだ。 東大・京大・東京工大・早稲田大などの建築学科が、病院でいえば、医者を養成する学校であるのに対し、建築専門学校というのは「〇〇技師」といった医者以外の医療関係者を育成する学校である。 ところが、最近、「人を学歴で差別してはいけない」という主張がまかり通ってきて、「建築専門学校」というもともとは「〇〇技師」を育成する学校を卒業した人が「医者」をさせろと要求するようになってきた。 「学歴」がどうかにかかわらず、その能力があるならいいけれども、能力があるのかというと、ないくせに主張だけする人というのが「建築専門学校」卒の人にはけっこういるように見受けられる。又、わざわざ、そういう人を育成しているのではないかと思われる「建築専門学校」もある。又、ずっこいことに、自分を評価してもらいたい時には「建築専門学校卒」として「専門学校」は「学歴」だと主張しておきながら、責任を問われる時になると、「ぼくは高卒なんだから、そんなことわかるわけがない」「ぼくは高卒なんだからそんなことできるわけがない」と言ってふんぞり返るという、今はやりの? “二刀流男” も、(株)一条工務店にはいた。他の会社にもいるのではないか。そのやり口に味をしめたおっさん・にいちゃんもいるようだ。 又、そういう「専門学校」に行ったような人というのは、小学校から高校までの学習をしていないので、「いっきゅうけんちくしい~い!」とやりたいと思っても試験に通りにくい。 試験に通りにくいにもかかわらず、「いっきゅうけんちくしい~い!」と言って「人に言うことをきかせる」ということを、やりたいやりたいやりたいやりたい、「やっりたいな♪ やっりたいな♪ やっりたい、やっりたい、やっりたいな♪」と思うわけだ。 そういう連中が「建築家」とか「設計士(さま)」とか、「エグゼクティブアーキテクト」とか、日本にありもしない「資格もどき」を勝手に名乗るわけだ。そして、中にはそんな「資格もどき」をつきつけられてありがたがる、なんか、かわいそうな人も出てくるわけだ・・・。 実際は「しろうと以下」のヤツを「設計士(さま)」とか「エグゼクティブアーキテクト」とか言われて、そんなもの、信じる人間て、そういうのに頼む人間というのは、勤め先はけっこう「いいところ」に勤めて年収もあって出世もしていたとしても、「見抜く目」がないわけで、その点では責任がないわけではない。

   (株)一条工務店にいた時、1990年代、福島県いわき市で、JTいわきハウジングパークという いわき市平尼子町 にあった総合住宅展示場に出展していた 日本都市開発(株)という会社が、総合住宅展示場の通路に面した和室の広縁に、ドラフターを置いて、設計の人間がわざわざ、そこに座って図面を書いているのか、書いているふりをしているのかしていたことがあった。 うどん屋でうどんの手打ちを客の前で実演する店があったり、『ラーメン発見伝』によると、ラーメン屋で自家製麺をしている店で、製麺機で麺ができるところを客に見せる店があったりするようだが、それと似たような感じ、設計担当者が通路から見える場所で、ドラフターといういかにも設計ですよおて感じの道具をそこに置いて図面を書くのを見せる・・・ということをしていた時があった。 それは、お客様を呼ぼう、お客様に評価してもらおうというその会社の工夫だから、工夫をしない会社よりも工夫をする会社はその点で評価できるのだけれども・・・・・、実際のところ、そのN社に関しては、「あんなヤンキーみたいなにーちゃんを見せて、どこがいいの?」て感じがした。 なにしろ、N社の従業員というのは、会社のクルマではなく個人のクルマに乗ってくるヤツというのは、どいつもこいつも羽根付のヤンキーですよおて感じのクルマに乗ったやつばっかりで、「な~んか、程度の低いやつばっかりの程度の低い会社だなあ~あ」という印象を私は受けていたのであり、そういうヤンキーのにーちゃんが「設計士さんですよお」て感じで見せても、あんまりプラスにならないのじゃないか、むしろ、弊社の設計はヤンキーですよおと見せているようなものではないのか、という印象を私は受けた。
    実際、高校から大学に行く時、五流大学の建築学科に行きたがるヤツというのは、なんかチャラチャラしたヤンキーて感じの人間が多いと思う。 「一流大学」の建築学科に行く人間にも、なんか「芸術家ぶりたいヤツ」というのか「丹下健三のエピゴウネン」になりたいヤツというのか、なんかそういうチャラいの、パッパしたヤツが多いという印象を私は高校時代に受けていた。そういうチャラ男って、魅力的かい?

    結局、要するに、「建築家」というのは、ロシアの民族衣装を着てスポーツカーに乗って「画家」と称して「絵のモデルになりませんか」と二十歳前後の女性に声をかけて強姦して殺しまくった大久保清みたいなヤツ、その「画家」の部分を「建築家」と置き換えて、強姦はしない殺人はしないというそういうにーちゃん、おっさん、ねーちゃん、おばさんが「建築家」!!!  そんなところかな。
    ついでに、「一級建築士」なんてものは、「掃いて捨てるほどいる!」 フリーダムアーキテクツデザイン(株)という会社で疑問に思ったのは、「一級建築士」なんて「掃いて捨てるほどいる」のに、この会社には、なんで、資格を持たない自称「設計士(さま)」というのがこんなに多いのだろう? ということだった。 な~んでか?  なんでだろうね。 「一級建築士なんて掃いて捨てるほどいる」のにね・・・・。

    「インテリアコーディネーター」というのは、インテリア産業協会が実施している資格試験で、かつては通産省認定の「国家資格」だったが、小泉行政改革で民間資格になったものだが、なんで、民間資格になったのかはよくわからない。 宅地建物取引主任者→宅地建物取引士とか一級建築士・二級建築士・木造建築士とか弁護士・司法書士・公認会計士とかは、この資格をもっておればこういう行為をしてよろしい、この資格を持っていなければこういう行為はしてはいけませんと法律で定められたものがあるのに対し、インテリアコーディネーターというのは、あくまで、「能力認定資格」であって、この内容の試験に合格した人ですからこのような能力があると推定されますという「資格」であって、その資格を持っておれば何をやっていい、その「資格」を持っていなければ何はやってはいけないというものは何もない「資格」である。「民間でできるものは民間で」と小泉純一郎がちょくちょく言っていたように思うが、宅地建物取引主任者→宅地建物取引士とか建築士、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士のようにこの「資格」を持っている者は何何をしてよい、持っていないものは何何はしてはいけないというものを法律で定めた「資格」は国家資格として、そういったものはない能力認定資格は「民間」でやってもらおうという基準なのかなと思って他の「資格」を考えてみると、そうでもなく、英語検定協会という旺文社の別団体がやっている英語検定なんていうのは、私が中学生や高校生であった頃は英語検定協会が実施する民間資格だったが、ふと気づくと「国家資格」になっていた。英語検定は民間資格だったものが国家資格になって、インテリアコーディネーター・インテリアプランナー・DIYアドバイザーは国家資格だったものが民間資格になるというのは、な~んでか? もしかして、袖の下が足らんかった??? 「越前屋、おぬしもワルよのお。くっくっく・・」「いえいえ、お奉行さまほどではおじゃりませぬ。いっしっし・・・」とか????? 
※「山吹色のお菓子」http://www.yamabukiiro.com/
    「その資格を持っておれば何何をやってよい、その資格を持っていなければ何何をやってはならないという者は何もない資格」だから通りやすいなどということはない。 ましてや、誰でも通るなどということはない。それは逆である。 その「資格」を持っておれば何何をやってよい、その「資格」を持っていなければ何何はやってはならないというものがある資格の場合は、その行為をする能力があるかどうかだけで合否を決めるというのでも資格制度は成り立つが、その「資格」を持っておれば何何をすることができる、インテリアコーディネーターはその「資格」を持っていなければ何何はやってはならないというものは何もない「資格」であり、合格水準を低くしてしまうと、もしくは、あまりにもその「資格」を持つ人の数を多くしてしまうと、その「資格」の価値がなくなってしまうので、それで、合格水準は一定レベルより下がらないよう、合格者が多くなり過ぎないように考えて合否の水準は決められているはずである。インテリアコーディネーターだけでなく、キッチンスペシャリストもそのはずである。

    「建築士」にしても、それは資格名であって、職業・職種の名称ではない。 建築士の資格を持って設計の職種についている人もあれば、工事管理の仕事についている人もあり、営業の仕事についている人もあり、大きくない会社なら「設計兼工事管理兼営業」だったりもする。
    「インテリアコーディネーター」は、住宅建築業の会社において、「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)を担当する“女性”の職種名としている会社もあるが、資格の名称と紛らわしいし、もともと、「色合わせ」(「仕様打ち合わせ」)というものは、「インテリアコーディネーター」の資格を持っていなければやってはならないなどと誰も決めていないし、持っていなければできないというものでもないし、持っておればできるというものでもない。
    戸建住宅建築請負業の会社で営業の職種をやる人で、何か1つ、資格を取得したいという人がいる。 なぜ、何か1つ資格を取得したいのかというと、知識も何もなく口先で人をだますような営業はやりたくないと思い、それで、最低限の知識は持って仕事をしたいという気持ちから関連の資格試験の学習をして合格したいという人がおり、他方において、「ぼく、◇◇の資格をもってます!」と叫べば「ひとは言うことをきく」という信仰を持っていて、それで、資格を取りたいという人、実際に資格を取得したとしても、ほとんど資格詐称と変わらない人というのがいる。 後者の方は動機が不純なのだが、たとえ、動機が不純であったとしても、内容がある資格試験の勉強をすることによって合格できたとしても合格できなかったとしても、そこで学んだものは役に立つと思うので、たとえ、動機が不純であっても、資格試験の勉強をするのは悪いということはない。「ぼく、◇◇の資格をもってます!」と叫べば「ひとは言うことをきく」という信仰を持っていて、資格詐称する人間よりは、動機が不純であっても実際に学んで取得しようとする者の方がまだしもよいであろう。
    前者の方だが、住宅建築業の場合、何の資格を取得するとよいかと言う問題がある。 一級建築士は、建築学科を卒業していない人間が取得するのは難しい。 なぜかと言うと、4年制大学の建築学科を卒業した人間は、二級建築士は卒業さえすれば実務経験なしで受験でき、一級建築士も、二級建築士に通っていなくても2年の実務経験で受験できる。 建築学科卒なら実務経験なしで二級建築士を受けられるのに対し、土木学科卒なら1年の実務経験で受けられたはずである。 それに対して、法学部・経済学部・商学部・経営学部とか文学部、あるいは理工学部でも建築学科・土木学科でない学科卒の人間は、二級建築士の受験資格を得るのに7年の実務経験が必要である。 一級建築士を「学歴」なしで受験しようとすると、二級建築士を取得した後に2年の実務経験が必要とされる。 私は千葉県建築士会に電話をして受験資格について確認したのだが、二級建築士であることと2年の実務経験というのは、二級建築士を取得するまでに7年の実務経験プラス2年の実務経験で受けられるのかというとだめらしい。 二級建築士を受けるまでに7年の実務経験が必要で、なおかつ、二級建築士を取得してからそれより後で2年の実務経験があって初めて一級建築士の受験資格を得ることになるらしいのだ。 そうなると、「学歴」なしで一級建築士を取得しようとすると、まず、一級建築士の受験資格を得るまでが大変ということになる。かつ、受験資格となる「実務経験」というのは、設計や工事管理の仕事についてであって、建築会社に勤めていても営業や人事総務や経理の仕事をしていたというのはだめだというのだ。営業の場合は、まったく知識なしでできるものではないが、建築会社で経理の仕事をしても建築の知識はつかないでしょう。 但し、それほど大きくない会社では、営業も設計も工事管理もないという会社がある。 名刺に「工事課」と書いていても実際は営業をしている人もおれば、「営業課」と名刺に書いてあっても、図面も作れば積算もして工事管理もやるという仕事もある。だから、この場合、「実務経験」というのは、名刺に何と書いてあるかではなく、実質上どうかで判断されることになる・・・が、よくあるらしいのは、「オットが設計事務所をやっていました」というようなケース、自営業の人は「税金対策」として嫁はんとか親とかを実際には仕事をしていないにもかかわらず、従業員だということにしているケースがけっこうあるらしい・・・・が、そういう実際は仕事をしていない嫁はんについて、実務経験がありますと「証明」して書類を書いて出せばそれで「実務経験」になるらしかった。えっ?と驚く為五郎!て感じがしないでもないが、珍しくない。 そうやって二級建築士を取得したおばさんてけっこういるみたいです。 試験自体は二級建築士はインテリアコーディネーターと比べても難しくないし、一般的にはキッチンスペシャリストより易しいでしょう。(出題内容が違うので一概に言えないところがありますが、その上で、あえて言うならば。) そうやって二級建築士を取得したおばさんが「私は建築士なのよ」みたいな顔をして、インテリアコーディネーターより建築士の方が上みたいな顔をしてみたりすることがあります。東海住宅(株)〔本社:千葉県八千代市〕の花見川店の店長になっていた「ゆうこりん」(仮名)なんか、それでしょう。建築学科卒の「学歴」もない、実務経験もまやかしである二級建築士などというものは、実際問題として、そんな「ペーパー二級建築士」というのは、ほとんど役に立たない、というのか、資格詐称の二級建築士とたいして違いはないでしょう。 実際、受験資格詐称しているわけですし。
   1980年代の後半、私が小堀住研(株)に入社した時の新卒社員研修では、同社の応募資格は「技術系」(設計・工事・工務・アフターサービス)は4年制大学の建築学科か土木学科卒の人で、「営業系」(営業・人事・総務・経理など)は4年制大学の法学部・経済学部・商学部卒の人で、「ミサワあたりの営業は高卒の人が多いですが、小堀住研は昔から『大卒しかとらない会社』で、同じ住宅の営業でも、小堀住研の営業とミサワあたりの営業とは営業という職種の位置づけが違います。小堀住研の営業とミサワあたりの営業は、営業は営業でも営業が違います」と言っていたが、「技術系」の人は建築士をとってもらいたいと言い、「営業系」の人は宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)をとってもらいたいと言われました。 私は応募した時の面接でも「宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)をとってもらうといいと思います」と言われ、取得しました。 建築士は4年制大学の建築学科を卒業すると実務経験なしで二級建築士を受けることができ、土木学科卒なら1年間の実務経験で二級建築士の受験ができたのに対し、法学部・経済学部・商学部といった社会科学系学部卒では、一級建築士・二級建築士・木造建築士の受験資格に関しては「学歴なし」と評価されてしまうので、その頃は「高卒」であれば受験できた(今はその条件もなくなったと思います)宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)を取得してもらいたいということにしたようでした。 柴田孝之『司法試験 一発合格の決めて』という本に附属のDVDで、柴田が「宅建主任というもんのすごい簡単な試験がある。もんのすごい簡単。もんのすごい」とか言っていましたが、そこまで簡単ではありません。私も、宅建主任なんて簡単にさっさと通るもんだと思って取得を考えたものの、実際に仕事を持ちながら学習しようとすると、学習時間を確保することがまず大変で、相当苦労しました。
   宅地建物取引主任者→宅地建物取引士 は、もともとは、宅地建物取引業(不動産業)の資格ですが、不動産屋に勤めるのであれば、考えようによっては、むしろ、持たない方がいいのかもしれない、という印象も私は受けています。 なぜなら、各事業所ごとに見て従業員5人に1人以上は宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)の資格を持つ従業員を配置しなければならないという宅地建物取引業法の規定なのですが、そうなると、どうなるか。 宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)というのは不動産屋の資格であって、「もんのすごい簡単」などということはないけれども、旧型司法試験とか公認会計士の試験とかのような「難関試験」ではないわけですから、その後も継続的に不動産業の仕事に従事するつもりなら、さっさと通れよな・・・と思いませんか。ところが、不動産屋というのは、言ってしまいますと、「程度低い」のです。だから、通らんのですよ。不動産屋の多くの人間は。そういう職場でその資格を持っているとどうなるかというと、従業員5人のうち4人は宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)を持っていない人で、1人が持っている人間となると、宅地建物取引主任者→宅地建物取引士 の資格を持っている人間は職場において「少数派」になってしまうのです。「派閥の力学」から考えると、「少数派」になるくらいなら、持たない方がいいくらい・・・だったりもするケースもあるのではないかと思います。
   かつ、不動産屋では宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)の資格を持っていない人間が上役になったりするわけです。そして、宅建業法の学習なんかしていない上役が宅建業法違反の「業務命令」を出すのです。そうなると、宅建業法違反をして、最悪の場合、資格はく奪か、それとも、「業務命令違反」だとして懲戒処分を受けるか?  こういう時、労働局とか労働基準監督署とかにいる「総合労働相談員」とか労働基準監督署にいる「労働基準監督官」とかに話すと、「法律に反する命令は無効ですから、きかなくとも懲戒処分を受ける心配はありません」とか無責任に言うのです。しかし、実際には、現実に違法な命令であってもきかないと「上長に対する反抗」とか言って懲戒解雇とかされるおそれは十分にあります。会社はやります。かつ、その場合、日本の裁判所はあてになりません。弁護士はまともに働きません。そうなってから労働基準監督署に言いに行っても、「労基署としては予告手当が支払われているかどうかは言えますが、解雇が有効か無効かは裁判所に言っていただかないと、労基署はどうもできませんね」と言っておしまいです。 ですから、そんなワリが合わない役割を押しつけられるくらいなら、宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)なんて資格なんて取らない方がいいくらい、かもしれません。 自動車の運転をするのに運転免許を持っている人間を1人連れてきてトランクに押し込めば、運転免許を持っていない人間4人が座席に座ってそのうちの1人がクルマを運転することができるかというと、自動車の運転免許についてはそうではありません。しかし、宅地建物取引業においては、宅地建物取引主任者→宅地建物取引士 の資格を持っている人間を1人連れてきてトランクに押し込めば、資格を持っていない人間4人が座席に座ってそのうちの1人がクルマを運転してよい・・・みたいな制度になってしまっているのです。(株)エイブルなんか、そんな感じでやっているのです。となると、宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)なんて、そんなあほくさい資格なんて、不動産業に勤めるなら取らないほうがいい・・・かもしれない。
   それに対して、住宅でも「不動産の住宅」ではなく「建築の住宅」の方の会社に勤める場合は、宅地建物取引主任者(→宅地建物取引士)の資格試験に合格できるまでに学習する内容は、宅地建物取引業法の部分については、建築業よりも不動産業の方でより必要とされる内容ですが、それ以外は、多くの部分で、「建築の住宅」の会社においても求められる知識であり、不動産屋におけるようにトランクに押し込められたあげく資格を持っていない人間にクルマを運転されるということもありませんから、取得して悪くないと思います。
   しかし、宅地建物取引主任者→宅地建物取引士 を取得するまでに学ぶもの、取得後、「実務経験にかわる講習」や更新講習で学ぶ内容は、「建築の住宅」の仕事、「不動産の住宅」の仕事をする上での基礎的な内容で、 「建築の住宅」の仕事をする上で、見込客・契約客に対して、アドバイザー・コンサルタントとして対応できる知識・能力を身に着けることになる資格試験というと、私は、インテリアコーディネーターが最もそれに近い資格試験ではないかと思います。建築士よりもインテリアコーディネーターの方が、「建築の住宅」の仕事で、顧客のアドバイザー・コンサルタントとして対応するための能力には関係が深いと思います。
   又、一級建築士をありがたがる人がいますが、一級建築士と二級建築士とでは、戸建住宅の建築においては、むしろ、二級建築士の資格試験に出題される内容の方が関連が大きいはずで、一級建築士はビル建築などでは関係があるでしょうけれども、戸建住宅の建築においては、建築学科卒の人が取得して悪いということはありませんが、試験に出題される内容はそれほど関係は深くありません。
   木造建築士という資格は、かつては、「木造建築士もってます」などとうかつに言うと、「ま~た、いいかげんなこと言いやがってからに。そんな資格あるわけないだろうが。嘘こきやがってからに」と思われてしまう資格でしたが、不動産業だけでなく、建築業においても、契約の前に重要事項説明というものをやらないといけないことになり、それ以来、「使いでのある資格」に変貌しました。それまでは、木造建築士の資格のテキストといっても、大規模書店に行ってもなかなか置いてなかったのですが、最近は置いてあります・・・が、受験資格は二級建築士と同じで、二級建築士の方がやってよいと法律で定められているものの範囲が広いので、同じ取得するなら、二級建築士を取っておいた方がいいのではないかという考え方もあります。しかし、木造建築士のテキストは、木構造の会社に勤める者にとっては、木構造について、コンパクトになかなか的確にまとめて書かれており、木造建築士の資格を取得するか否かにかかわらず、「使えそうなテキスト」だと思いますし、「いっきゅうけんちくしい~い」を取得した人でも、木構造の仕事に携わるなら読んで悪くない本ではないかと思います。

   字数制限のため、
  「建築家とインテリアコーディネーターがつくる家」て何ぞや?〔下〕 に続く。

  (2016.11.29.)

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